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それまでは全く気にもしなかったのに、
或る日卒然と輝いて見えるようになる... 
プラクチカもそうだった。
旧東ドイツの普及型一眼レフ。とりたてて語るべきスペックも無し。中古カメラ屋の片隅に安い値段で放ってあるイケてないカメラ。その程度の認識だったのだが、或る日、某ネットオークションを眺めていると、なんだか厳しい面構えのカメラが目に留まった...

プラクチカWの前期型。妙に突き出た黒色のペンタ部。その中央にはKWのマーク。ボディ底部の巻き上げレバー。こ、これはひょっとして、かなりイケてるカメラなのでは、と思った瞬間、何か価値観の顛倒が生じたわけである。
で、即入札。入札したのは結局一人だけ。
ボディにプラスしてE. Ludwig Meritar 50mm F2.9と日本のメーカーOEMとおぼしき正体不明の135mm F2.8も付いており、こっちのほうも(むしろこっちのほうが)気になる。とくにトリプレット・タイプのメリターがどんな写りをするのか興味津々。
出品者のTさんはエキザクタマウントのマミヤ1眼レフなどを同時に出品されていて(幻のエキザクタマウントキャノンレンズ付!)、只者ではない迫力を感じていたのだが、メールをいただいてみると思ったとおりの素晴らしい方で、メリターのフードとプラクチカのケースも送りますとのこと。さらに「おまけ」も入れておきますとあって、「おまけ」にヨワイわたくしは感謝の念とともに到着を待ち焦がれたのだった。
届いた荷物はなんだか妙に重く、おまけへの期待は膨らむばかり。さっそく梱包を解くと、いきなり出てきたのは、ななんと、二眼レフのWALZFLEX! それも1/500秒が付いた後期型。レンズも綺麗、こんな立派なおまけを頂戴してよいのかちょっと申し訳ない気分。さらに出てきたのは茶色の革ケースに入ったメリター付きプラクチカ。梱包のプチプチをめくると、おお、これもなかなか綺麗なボディ、黒いペンタ部がシビレる。レンズも両方ともに想像以上の綺麗さ。Tさんに再度感謝!

ボディのスペックを簡単に記すれば、シャッターが最速1/500秒。ミラーはクイック・リターンではない。作動音はかなり大きい。フィルム巻き上げは底部レバー及び上部ノブの両方で可能。ファインダーはこの時代のカメラにしてはまあまあの見やすさ。シャッターボタンは前面にあり、この位置はウエストレベル・ファインダーだと押しやすいだろうが、アイレベルなので少しやりにくい。ウラ蓋はヒンジが付いているのかと思って開けるとガバッと取れるので注意。

さてさて、まずやらねばならないのは手持ちのM42レンズを片っ端からつけてみて、その景色を愛でることである。最初はやはり前玉の大きいMir 20mm F3.5から。うむ、これはかなりの強面...
次から次へとつけてみたが、ゼブラ模様などの派手なデザインのレンズはあまり似合わないようだ。小さい(暗い)地味レンズが案外しっくりとくる。

こうなると、だいたい予想はついていたのだが、プラクチカのほかのモデル、FXだとかWのセレンメーター付きだとか、気になってしまうのである、使いもしないのに。既にエディクサの例もあり、気をつけないと、あっという間に増殖する可能性がある... 
ところで一文字違いのプラクチナって気になる。 そうそうペンタコンスーパーって....
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